FC2ブログ
02月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫04月

スポンサーサイト

--.--.-- (--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

コウノトリの不死鳥物語

2007.11.28 (Wed)

経済的に豊かになるために、農村を捨て都市で暮らし、子供は少なく生んで大事に育てるという生活様式を選択したがために、食料自給率が低く、少子高齢化から人口減少に陥るジャパン・シンドロームに陥った社会を、どう立て直すか。兵庫県豊岡市で40年かけて絶滅したコウノトリの人口孵化から放鳥までこぎつけた試みはそのヒントを与えてくれる。
 川や田んぼの魚や蛙を捕食するコウノトリは、1960年代までの日本農村の風景の中ではごくありふれた一要素であった。しかし、コウノトリを害鳥とみなす人間の思い込み、鳥打、巣をかける松の枯死、それに水田の生産性を高めるために大量に使われた農薬と肥料の結果は、コウノトリの不妊、雛の死亡となって、ついに絶滅を迎えてしまったのである。
 豊岡では、ロシアから贈られたコウノトリから人口孵化を試み、幾多の失敗を超えてようやく、自然の中に放鳥できるまで飼育羽数が増やすことができたのである。そして、ついに放鳥されたコウノトリの番から自然に雛が育てられ、本年7月31日いよいよ巣立つ日を迎えた。
 この壮大な取り組みは、決して人の暮らしていない空間で展開したのではなく、普通に生産活動、生活活動を営んでいる人々の暮らす里で繰り広げられたのである。そのためにコウノトリの餌となる魚や蛙が繁殖する田んぼにするためには、農家の農業そのものの見直しを図らなければならなかった。自然の保全と地域農業の振興の両立という難しい課題を解決しなければならなかったのである。それはコウノトリと人間が共生できる里づくりというロマンだけにとどまらず、生きとし生けるものの生命のたくましい営みが農村で展開し、食料自給が確保できる社会を再構築する試みであると評価することができるだろう。ジャパン・シンドロームからの回復を図るためには、豊岡のストーリーを読み解く必要がある。
 関係者から聴いた限り、コウノトリをはぐくむ農法でできた米は、生産農家のコストを消費価格に転嫁している。これまでのように単品としての米の価格形成ではなく、農法(コウノトリの餌を増やすための魚道設置などを含む)支援を商品化した価格形成と考えるべきだろう。農村の経済資本はこうした考え方で活性化させる必要がある。人的資本としては、専門家だけでなく、小中学生の熱心な取り組みや幅広く住民各層からの参加を得ている。このプロジェクトに関わる人材は世界的な広がりを持ったといえるだろう。社会関係資本で言えば、コウノトリの復元に関わるさまざまなクラブが生まれ、寄付活動などが生まれている。また文化資本で言えば、かけがえのない存在としてコウノトリが、輝きだしている。もしかするとこれが伝説のフェニックス(不死鳥)の復活だったのかもしれない。そして何よりも環境資本からいえば、1羽のコウノトリが巣立つという裏には、莫大な数の魚や蛙の生息があり、その餌になるプランクトンや昆虫などのさらに多くの生息があり、またその裏には、毒されていない水環境が広がっていなければならない。一匹の蝶々が北京に飛ぶとニューヨークでハリケーンが起こる(カオス理論におけるバタフライ効果)というが、まさに1羽のコウノトリが飛び立つことで、環境は変わり始めたといえるだろう。
23:06  |  理事  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

Comment

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除するのに必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://asianaging.blog26.fc2.com/tb.php/62-d0864a52

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。